Wednesday, March 19, 2008

"Let's get Lost" Bruce Webber

写真家ブルースウェバー監督の白黒のドキュメンタリー/フィクション映画です。永遠のジェームスディーンのトランペットプレイヤーそしてとても美しい歌声 を持つチャットベイカーの人生のある時期です。とても綺麗ですね。音楽が素晴らしいというかチャットベイカーの声がトランペットの様に頭蓋骨に響くような 音、この映画は音楽好きな人にはたまらないんでは?

『 オールド・ボーイ (2003) OLDBOY 올드 보이 』監督・脚本パク・チャヌク

「春がきたら」の俳優チェ・ミンシクと「女は男の未来だ(2004/韓国=仏)」の超ハンサムなユ・ジテの過去のトラウマから来る復讐を一生かけて挑む映画。 良く出来ていて、映像もかっこよくて、ユ・ジテもかっこよくて、展開も気持ちいい。良いんじゃないですか、極エンターテイメントって感じ

「みんな〜やってるか!」監督・脚本:北野 武

世界で認められ、日本でも頂点のパワーを示す立場になったビートたけしがいきなり出したコメディー映画。

お金ありますね。映画を作るという発想を単発的にそしてユーモア溢れるやり方で製作したといった感じ。淡々とアホナダンカンが女とカーセックスをしたいために、試行錯誤して最後はクローネンバーグのフライの様にハエ男と化するという展開。

最初、東京のハイウェイから始まるんですがこの映像が美しい、しこたま色んなプロップスで状況がじわじわと展開しますが、少しつまんないかなーと 思いながら見てたら、結構面白くなって見てしまいました。圧巻はたけしが透明人間のたちばな博士になりあの有名な、(せきをして)其の後、「ゴホン」、 「といえば紀伊国屋」と記者会見を始めます。やっぱりいいですねたけしのコケは。あの声、安心さしてくれます。見てて気持ちいですね。たけしのしらける ギャグは、映画監督として難しい時期、名声と期待に迷ってる時期に言います。「みんな〜やってるか!」

おばあちゃんの家/家へ… 집으로… The Way Home キム・スンボム.

こういう都会の子供とお婆ちゃんの仲が良くなるってやつ。

子供はとても可愛い。しかし超憎たらしい性格。最初のほう子供がおばあちゃんに対して超verbally Abusiveで驚いた。それを気づいているのか判っていないのか?御婆ちゃんは腰が曲がっててナウシカの巨神像を思い出した。顔もそうだった。

時々わざとらしくなるけど、無駄も多い、がやはり自分も田舎に独りで住んでいた御婆ちゃんをもってたから、キュントと来るものがあった。良く田舎から町へ買えるとき御婆ちゃんが寂しそうに手を振ってるのを覚えている。

技とらしくアットホームな音楽、素敵な田舎、そして御婆ちゃんと生活をし日常から御婆ちゃんの優しさを知る少年。わかっちゃーいるけど面白かった。そして涙が出た。涙 LOL!

実を言うとこれキアロスタミに影響されていない? 特に『風が吹くまま』?韓国で流行ったんだよねキアロスタミ。御婆ちゃんが隣の家まで歩くシー ンは 『友だちのうちはどこ?』の子供が隣町まで走って行くのと超似ている、其のシーンの音楽も。判るような気がする、イラン系というかキアロスタミ系の 人情溢れる映画は韓国映画の心情と重なるかも。日本人よりキアロスタミ判るだろうなー韓国人は。

はてサイトでキアロスタミとは.......オリエント世界の人々の何気ない感情をドキュメンタルな感動で伝えてきたイラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミ。

クワイエット・ファミリー (1998/韓国). 조용한 가족  Choyonghan kajok. The Quiet Family

鬼才と呼ばれている日本の三池崇史監督「片栗家の幸福」(2001) は実は韓国のキム・ジウン監督の「クワイエット・ファミリー」を大本に作ってあることが2007年5月27日午前12時30分に発覚しました。

全く客が来ない山奥のホテルロッジを経営する家族、少しアダムズファミリーみたいな仲良しの家族、こえたからかに大笑いするソンガンホを息子とす るこの家族は、この場所の祟りに見舞われ、来る客来る客皆死んでしまいます。人が死んでは縁起が悪いとロッジの経営を心配する家族は其の死体を皆埋めてい きます。

ほらそっくりでしょう。「片栗家の幸福」と。まあ、ポストモダンに時代、オリジナルなんて無いという時代にはこんなもんでしょうが。

私は三池崇史を最初に見ていたのでこれを見るときにはどう違うかを見ました。これはこれで面白かったです。三池のはそれをもっとシニカルなお笑い にした感じでしたが、「クワイエット・ファミリー」はもっと微妙にゆっくりと展開する感じです。笑い通すというよりはじわじわと伝わってくる面白さといっ たところでした。


ソンガンホも良かったですが、笑いが最高!お父さんとお母さんがとっても良い。真剣な表情と状況の過酷さに負けずにいる姿がとても可愛らしくそそるものがありました。見てみてください。両方とも。

キム・ジウン監督の「クワイエット・ファミリー」
三池崇史監督「片栗家の幸福」

スプリング・イン・ホームタウン/故郷の春/美しい季節 Areumdawoon sheejul

朝鮮と韓国の戦争時代に米軍が滞在した田舎のお話。画面はとても綺麗です。お話はゆっくりと進み、結構シビアな事が田舎のほのぼのとした情景の中にポツリ ポツリと印象付けています。米軍の存在は災いでも有ります。それは今の現状とも変わりはありません。兵士のいくところの無い性欲、イノセントな住民、それ をとりまく政治背景、戦争。戦争はこうして民の生活に入り込み、無用な意味を人々の人生につくりあげて行くのです。少し重くなりましたが、この映画はそん なバックグラウンドを生きる少年たちの毎日です。

DVDがシネマ用の長いスクリーンしかなく、テレビで見るには画面がちっさくて表情が殆ど見えなかった。だから見てないのも同然、意見言えましぇーん。

反則王 The Foul King (Banchikwang) 반칙왕

語訥で小心な銀行員イム・デホ(ソン・ガンホ)は,平凡なサラリーマン。満員の地下鉄に乗って出勤し,銀行の窓口を守る単調な日常に面白いことは何もな い。ある日、大嫌いな副支店長にヘッドロックをされくやしながらに家に帰っているとレスラー道場でレスラー募集の広告を見てパートタイム・レスラーにな る。


お話は結構楽しく可笑しい少し70年代の熱血物を思い出させるような映画です。「殺人の追憶」「グエムル」「JAS」でもおなじみなソン・ガンホ出演です。若い!「殺人の追憶」ではおやじのよさを分泌していた彼ですがここでは青年のはちゃめちゃさを出しています。

ストーリーも判りやすく、コメディタッチはさらりと、子供とかこの映画好きなのでは。

その時,その人々 「The President's Last Bang」 그때 그사람들 Geuddae geusaramdeul (2005)

1979年の10.26事態(パク・チョンヒ(朴正煕)大統領殺害事件)を素材に,大統領が射殺された日,わけも分からないまま大統領殺害事件に加担したり,巻き込まれ,結局,悲劇的最後を迎える人々のアイロニーな状況を描いた政治風刺ブラックコメディ。

僕もよく歴史をわかってないなーって本当に思いました。1979年の韓国は独裁政治のような感じだったのですね。現在の韓国から考えると本当に吃驚。そう考えると韓国は急激な発展だったんですね。

この映画を見ながら、「これって北朝鮮の映画だったっけなー」と何回も思ったりもしました。ほんと勉強不足、とほほほ。

大統領暗殺というとってもシリアスな題材とは裏腹に、映画のタッチはとってもコミカル、というか人間くさい。温かい。そこら辺が韓国のよさなのかなー?


所で大統領側近の人達、大統領の暗殺を仕組んだ人達の中に日本語を喋る人がいた。変なところだけ日本語を喋ったり(意地を張ったり、頑固になった り)、それとか大統領の宴会のときに呼ばれた女の子は、矢代アキの「北の宿」を完璧に歌ったりする。それをみんなで喜んで飲んで聴いていた。そんな状態、 隣国なので日本が絡んでいてもしょうがないとも考えられますが、歴史的、政治的に、文化的に韓国が築き上げられるときに絡んでいたんでしょうな日本は、決 していい意味だけでもなく。

血と骨 Blood and Bones 原作、梁石日(ヤン・ソギル)×監督、崔洋一×主演、ビートたけし

1920年代、日本で一旗揚げようと、済州島から多くの出稼ぎ労働者が大阪へとやって来た時代。そこでは朝鮮人集落が形成されており、人々が助け合いながら生活していたが.............

この映画へヴィーでした。とても綺麗なセットで構成されていますが、まず時代背景環境がとてもへヴィー、其の上、たけしの顔がずっと怖いままで最 後まで突進します。色々と朝鮮人の絆の強さや、其の時代の日本の朝鮮人の集落を作るといった状況は感心しましたが、余りに主人公の人格がびっくりするもの であった為、うーん見てよかったけどといった感じでした。

前に進むのはいいけど、前しか見えないのは良くないですね。

A Bittersweet Life 甘い人生  달콤한 인생 Dalkomhan insaeng

またまた韓国のギャングスター映画です。どこかで顔を見たことのあるイケメン俳優イ・ビョンホンはまたもやジャニー系のハンサム。映画が始まったときは日本人かと思いました。

内容は極単純:ソウルのスカイラウンジのマネージャー、ソヌ(イ・ビョンホン)は非情と怜悧さを身上に7年間にわたり裏社会のボスのカン(キム・ ヨンチョル)に仕え今の地位を手にした。今日も今日とてカンの商売敵パク社長(ファン・ジョンミン)が送り込んだゴロツキどもを一瞬にして叩きのめしたソ ヌであったが、カンに呼ばれて指示を受ける。彼が1週間上海に商用で行ってる間、愛人のヒス(シン・ミナ)を見張ってくれと言うのだが…。

ボスのキム・ヨンチョルはパンチパーマの北島三郎の様な見た目。迫力はなかなかのものです。恋人の愛人のヒス(シン・ミナ)はクラシック音楽を演奏する美人、若さの故に我侭で少し遊び人なのでした。

さらりと見れました。中々の極道で、演技も切れる、シンプルなストーリー展開で、画面も綺麗。監督のキム・ジウンさんは 2000年にソン・ガンホ 出演の「反則王」も作りました。今度見てみよーっと。

ソン・ガンホ出演 「JSA」(Gongdong gyeongbi guyeok)2000年 パク・チャヌク

韓国と北朝鮮の境にある板門店。ここで警備に当たっていた韓国の兵士が北朝鮮の兵士を射殺する事件が起こる。だが、生き残った北朝鮮の兵士(ソン・ガン ホ)と韓国の兵士(イ・ビョンホン)の供述は互いに食い違っていた。中立国スイスから派遣された調査官・ソフィー(イ・ヨンエ)は、彼らと会い、話を聞き ながらこの事件の核心に迫っていく。そして明らかになったのは、誰もが予想しなかった意外な事実であった。
「グエムル」「殺人の追憶」でもおなじみな俳優ソン・ガンホが北朝鮮の兵士役で出ています。彼はやはり深い人情を表現できる俳優ですね。

現在見た3分後で自分自身も追憶をしております。すごい映画だったのまず一言。また書きます。

「殺人の追憶」 살인의 추옥  監督:ポン・ジュノ "Memories of Murder(Salinui chueok)"

僕は「グエムル」で天才と判った監督:ポン・ジュノの2003年の映画です。ハート

軍事政権下で比較的治安のよかった1980年代に起こったソウル近郊での連続殺人事件が題材である(当時の韓国警察は反政府勢力の抑圧などの公安 対策に傾倒し、刑事事件の捜査や犯罪の抑止といった本来の任務を軽視していたとの見方もある)。実際に起こった未解決事件を描いたため、その写実性が高い 評価を得た。『ウィキペディア(Wikipedia)』より
この映画、 リュ・ジャンハ監督の「春が来れば」に出てくるお婆ちゃんと二人っきりで暮らしていた貧乏な少年、ジェイル役をしていたイ・ジェウンが出てきます。少年 (イ・ジェウン)は「春が」よりももっと若いときで主人公のソン・ガンホと共に面白いダイアローグでこの映画は始まります。イ・ジェウンは「春が」でかな り気に入っていた子役俳優です。この映画は彼の俳優デビュー作でも有ったらしいです。

良いじゃないですかこの始まり方、綺麗な田んぼの横の土手道で燦燦とした太陽の下で、少し黄色がかった明快な映像の中で朗らかにこの超深くダークな映画は幕を切るのでした。うまい!指でOK

やっぱりポン・ジュノ監督、天才です。はっきりと断言できます。とても明快でイメージ、音、音楽、感情、ムード、そしてシナリオ、展開、非常にバ ランスがいい。2006年の「グエムル」であれだけのスタイルを確立した事にびっくりしていた私ですが、この映画は2003年、もうスタイルが完璧に出来 上がっています。旨すぎる。映画としての完成度が以上に高い。圧巻。わーい(嬉しい顔)

刑事役の主人公、パック役は俳優のソン・ガンホSong Kang-ho。「グエムル」でおなじみのですね。彼は「グエムル」の批評では西田俊之と書きましたが、この映画では北野武をチャウチャウ犬の様なふさふ さした頭の少年が大きくなった感じ、性格は極男っぽく、渋く、癖があり、優しく、喧嘩っ早く、愛嬌が超あり、カラオケを歌うシーンがあるんですけど、この シーンのかっこよさはファスビンダーの映画にピアノバーで歌う、ドイツ系のブロンド美人のハナ・シグラの出てくるシーンのように旋律的でありユーモアがあ り、抜群のセンスですね。ソン・ガンホはいい俳優だなー、本当にかっこいい。とても典型的な韓国系の顔です、少し膨れていて、目が流離ぎ、人懐っこい表情 がこの映画の印象を強くします。

この映画のシナリオについては書きません。あまりによく出来ているため皆さんもご自身で見て感じてださい。最後まで全く飽きずに、何時までも画面が綺麗で、どんどん刑事と犯人の感情の迷路にはまっていきます。

これを見る前は殺人犯罪の映画と読んでいて、いかにも韓国のはやりだなーとか思い見始めましたが、いいえ、この映画の出来、監督のビジョンがあまりにもはっきりと出ていて、ただの犯罪の映画とは括れないでしょう。

監督ポン・ジュノの作品、今から全部見ていきたいと思います。要注意、彼は天才ですね。ダッシュ(走り出す様)


ソン・ガンホはジョエルにちょっとだけ似てる。

「グエムル(漢江の怪物)」  "The Host(Gwoemul)" 괴물

去年日本に帰ったとき何回もテレビのコマーシャルで話題になっていた「グエムル」です。長い間見たくてしょうがなかったんですが、やっとの事で見ました。

内容:ソウル市内の中心部を流れる川に、ある日突然「怪物」が現れ、人々を襲い始めた。韓国のヒットメーカーが放つ、驚異のモンスタームービー!

監督はポン・ジュノさん、この映画のキーな存在である愛嬌あるパック一家は素晴らしい。パク・カンドゥ(長男)を演じる俳優ソン・ガンホは韓国版 西田俊之といった感じ、ギャグの感じも、グエムルのバイルスを体に浴びた後、娘を失い家族全員喪失しているときに、股に手を突っ込みボリボリ、それを見て しらーっとした顔でみない振りをするお父さん、パク・ヒボン(父親)俳優:ピョン・ヒボンと少し纏まった顔だけどひょうきんな日本のお笑い系の様なパク・ ナミル(次男)俳優:パク・ヘイル。そんなユーモアがこの映画全体に散らばってます。それがわざとらしくなく、さらりと爽快に愉快に怪物映画を楽しくして くれます。オリンピック並の弓士のカンドゥの妹パク・ナムジュ(長女)女優:ペ・ドゥナは勇敢で、グエムルに連れ去られるカンドゥの娘パク・ヒョンソ、女 優:コ・アソンも可愛く、そしてグエムルに囚われた場所で凄みも出しながら頑張ります。所謂、暖かい家族映画を怪物映画で面白おかしく調理してあります。 これが、いい。センスいいですね、この3つの要素が。
まず画面が超綺麗。ニューヨークのインディーフィルムメーカーの人がシネマトグラフィーがスタンリーキューブリック並と言ってました。僕もそう思いまし た。兎に角綺麗、鮮明なイメージ、内容に伴いイメージ、展開の明快さ、そして出てくる人達の顔がいい、原色であり洗練されたアジアの魅力を感じます。西洋 の映画をとってきてそれをアジアに変えただけではないんですね。これ見るとあーアジア人顔がいいと思います。これ大切。

怪物のグラフィックは僕はこういったことに興味ないので話しません。内容もここで言っちゃうと皆が見なくなるので言いません。僕は爽快に楽しみました。皆も見てください。期待通りでした。

実を言うとこの映画始まり方もそうなんですけどアメリカ批判を辛口にしてるんですね、韓国での米国軍の曖昧で無意味な存在、それをこの物語の悪の 根源として始めるんですね。それをユーモアのある怪物映画にするところが太っ腹。映画好きのアメリカ人はヒヤーっとするでしょうね、そんなダブルパンチ。 これ位のスタイルのいい、米国批判を日本の映画でもするべきでしょう。そう思いません?ぴかぴか(新しい)

「空き家(うつせみ)」"3-IRON (Bin-jip)" 빈 집 キム・ギドク監督・Ki-duk Kim

うーん、前々回のリビューで書いた映画「春夏秋冬そして春」のキム・ギドク監督の2004年の作品です。2004年ヴェネチア国際映画祭で最優秀監督賞をとった作品です。これは、あれだけ「春夏秋冬そして春」で悪口を書いたのですが、「うつせみ」は結構気に入りました。
映画は始まり、スマップとかトキオとも言っても可笑しくないジャニー系の俳優、ジェヒ(JaeHee. 재희)。ジェヒが扮するテソクは孤独の町の生活の中、人の家に勝手に入り、何も盗まず唯何日間か住み続け渡り歩く若者。大きなバイクに乗り、無言で(この 人は喋れない役?)、流離っています。この出だしは少しうーん、トレンディー映画じゃんと思い、 キム・ギドク監督だなーと思いましたが、なかなか最後まで見ると少し心にしみました。

音楽のチョイスは「春夏秋冬そして春」にも言えるけど、ダサダサ。この監督本当に女性の叫び系のメロドラマチックな曲が好きですねー。時たまゆっ くりと流れるエリック・サティの『ジムノペディ』の様なのが一瞬流れます。ああいった感じの音楽をずっとバックに流せばもっといいのに、と思ったりもしま した。すると、突然女性の叫び系のメロドラマチックな曲に成るんですね。静けさが気持ちいいなーと思ったところで。

ところで余談ですが、ジム・ケリーが出ている 「エターナル・サンシャイン」(Eternal Sunshine of the Spotless Mind)の音楽は、John Brion / ジョン・ブライオンというコンポーザーが作っていますが、この映画でよく流れるあのピアノの曲は本当に名曲だと思います。何階聴いても素晴らしい、ジムケ リーが其の時の彼女のタンジェリーンを呼んでいる時の感傷的なシーンを鮮明に思い出します。電球
さてさて、少し疲れた顔が綺麗な女優イ・スンヨン 李丞涓 이승연 I Seung-Yeonが、愛が無い結婚の家庭で感情が果て無口になってしまった妻の役をします。映画開幕の時は野蛮な夫に顔を殴られ、ほほが一面酷い色に 成ってたりしますが、(こんな演出は少しまた大げさで一瞬あーあーキム・ギトク監督ー!と、思いがちでした)話は進み、イ・スンヨンの演じるソナの悲しげ な表情、そしてテソクと会い、徐々に恋に落ちていく様は、この二人の無言(本当に全く喋らないんですね)の演技の中で微かに波打つように来るんですね。孤 独であり純粋に生きるテソクの変な習慣、たとえば勝手に住んでいる人の家で、其の家の持ち主の洗濯をやってあげたりとか、それも洗濯機ではなく手で。とっ ても美味しそうな韓国料理(チゲやら前菜の盛りだくさんな所)をささっと作ったりなどと、中々この映画野中で色々な素敵な要素とし光ってます。

しかし波乱万丈、激しいキム・ギトク監督であるから、アレーという様な展開はありますが、それが話の展開のよさのオブラートに囲まれ全く目立たなくなり、映画が終わった後は結構すっきり感と然るべき落ちた愛の好印象が残ります。

二人の環境の雁字搦めな毎日、お互いの孤独の発見、結びつき、そして其の微かな愛が芽生え、それでも降りかかる苦境に耐え、最後はあっと驚かせるハッピー・エンディングがきます。

うーん、これはやられたなー。キム・ギトク監督のほかの映画では激しく出すぎる鬼才さが、うまーく、バランスよく、美味しく出来あがっています。うーんトレヴィアン!

ヴェネチア取ったの判るわ!おにぎり

「春が来れば」 꽃피는 봄이 오면 When Spring Comes リュ・ジャンハ監督

金八先生をサザンオールスターズの桑田さんで足して割ったような俳優、チェ・ミンシクさんが出る少し切なく、あまーい映画、「春が来れば」、です。
物語: 失恋をした男性は、中学校の音楽教師の仕事で韓国の地方にやってきます。まずいコーヒーを自動販売機でうっているような田舎で、炭鉱が町の男たちを支える 様な経済状況のなか、吹奏楽部の中学生たちは、炭鉱で働く親に音楽なんて男のすることじゃねーと罵られ、夢を傷つけられながら頑張っています。チェ・ミン シクが演じる男性イ・ヒョヌはそんな吹奏楽部の顧問になり、少しずつ情熱を燃やす楽しさを覚えていきます。

少しゆっくりめの展開、田舎の住む人達の支えあう優しさ、貧困のなかでも清く生きている吹奏楽部の中の一人の少年、朗らかに淡々と話は進みます。
韓国は上下関係が厳しく、今も残っているらしいのです。其の感覚がこの映画を見てるとわかりました。お婆ちゃんと二人っきりで住む少年の先生に対する言葉使い、先生の尊厳の絶対性の展開、そしてお父さんのような愛を持った先生、少し感心しました。

日本ではこう言った男気のある先生がもういないんでは?貧乏な子供のお婆ーちゃんが死んだら先生が病院に駆け込むなんて、もう日本では聞かないような話では?

対話がとても優しく、僕は飛行機の中で涙が出ました。飛行機涙