Wednesday, March 19, 2008

「殺人の追憶」 살인의 추옥  監督:ポン・ジュノ "Memories of Murder(Salinui chueok)"

僕は「グエムル」で天才と判った監督:ポン・ジュノの2003年の映画です。ハート

軍事政権下で比較的治安のよかった1980年代に起こったソウル近郊での連続殺人事件が題材である(当時の韓国警察は反政府勢力の抑圧などの公安 対策に傾倒し、刑事事件の捜査や犯罪の抑止といった本来の任務を軽視していたとの見方もある)。実際に起こった未解決事件を描いたため、その写実性が高い 評価を得た。『ウィキペディア(Wikipedia)』より
この映画、 リュ・ジャンハ監督の「春が来れば」に出てくるお婆ちゃんと二人っきりで暮らしていた貧乏な少年、ジェイル役をしていたイ・ジェウンが出てきます。少年 (イ・ジェウン)は「春が」よりももっと若いときで主人公のソン・ガンホと共に面白いダイアローグでこの映画は始まります。イ・ジェウンは「春が」でかな り気に入っていた子役俳優です。この映画は彼の俳優デビュー作でも有ったらしいです。

良いじゃないですかこの始まり方、綺麗な田んぼの横の土手道で燦燦とした太陽の下で、少し黄色がかった明快な映像の中で朗らかにこの超深くダークな映画は幕を切るのでした。うまい!指でOK

やっぱりポン・ジュノ監督、天才です。はっきりと断言できます。とても明快でイメージ、音、音楽、感情、ムード、そしてシナリオ、展開、非常にバ ランスがいい。2006年の「グエムル」であれだけのスタイルを確立した事にびっくりしていた私ですが、この映画は2003年、もうスタイルが完璧に出来 上がっています。旨すぎる。映画としての完成度が以上に高い。圧巻。わーい(嬉しい顔)

刑事役の主人公、パック役は俳優のソン・ガンホSong Kang-ho。「グエムル」でおなじみのですね。彼は「グエムル」の批評では西田俊之と書きましたが、この映画では北野武をチャウチャウ犬の様なふさふ さした頭の少年が大きくなった感じ、性格は極男っぽく、渋く、癖があり、優しく、喧嘩っ早く、愛嬌が超あり、カラオケを歌うシーンがあるんですけど、この シーンのかっこよさはファスビンダーの映画にピアノバーで歌う、ドイツ系のブロンド美人のハナ・シグラの出てくるシーンのように旋律的でありユーモアがあ り、抜群のセンスですね。ソン・ガンホはいい俳優だなー、本当にかっこいい。とても典型的な韓国系の顔です、少し膨れていて、目が流離ぎ、人懐っこい表情 がこの映画の印象を強くします。

この映画のシナリオについては書きません。あまりによく出来ているため皆さんもご自身で見て感じてださい。最後まで全く飽きずに、何時までも画面が綺麗で、どんどん刑事と犯人の感情の迷路にはまっていきます。

これを見る前は殺人犯罪の映画と読んでいて、いかにも韓国のはやりだなーとか思い見始めましたが、いいえ、この映画の出来、監督のビジョンがあまりにもはっきりと出ていて、ただの犯罪の映画とは括れないでしょう。

監督ポン・ジュノの作品、今から全部見ていきたいと思います。要注意、彼は天才ですね。ダッシュ(走り出す様)


ソン・ガンホはジョエルにちょっとだけ似てる。

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