Wednesday, August 20, 2008

『あの子を探して』 一個都不能少 Not One Less, 1997

1ヵ月間学校を離れることになったカオ先生の代わりに、村長から代用教員に指名された少女ウェイ。可愛いけれど、やんちゃで生意気な28人の生徒たち。 “生徒が一人もやめなかったら褒賞金をあげる”というカオ先生の言葉を信じて、子供たちを懸命に見張り続けるが、ある日、いつもウェイを困らせていた少年 チャンが都会へ出稼ぎに出てしまった……。
 「紅いコーリャン」「菊豆」のチャン・イーモウ監督作品。
sunairi: うわー、チャン・イーモウ監督の強烈な良い映画。強烈というと悪い言い方ですね。

この映画はドキュメンタリーっぽいフィクションで、韓国の「おばあちゃんの家/家へ… 집으로… The Way Home キム・スンボム」やらイランの「友だちのうちはどこ? アッバス・キアロスタミ "Where Is My Friend's House" Abbas Kiarostami」などを思い出します。多分意識してるでしょうね。この話の展開、映像、音、雰囲気などは。

仕事欲しさに小学校の教員補助の仕事を始めた女の子、先生も生徒もみんなも結構適当、それがこういった田舎の醍醐味、中国の田舎は特に、中国ユナン省のリージャンにいった時、小学校を見たがやはりこんな感じだった。何か、ぎっちり基本を教え込むやり方の日本を体験した僕はこういった風がいつも吹いているような勉強の仕方はびっくりだった。

この映画もその雰囲気を促しながら始まります。ウェイ先生は、適当に黒板に字を書き、「それを写せ」と言い生徒を部屋に閉じ込める有様。最初はこのウェイ先生の態度と田舎顔が無性に腹立たしく、ふてぶてしいと思いそのまま話がスムーズに進む。

しかし見ているとこのしぶとさ?が一生懸命さに変わってくるんですね。それも素直に。最初の動機はわからない感じだけど、それが余りもの一途さですばらしいものに変わっていくんですね。見事に。

ここら辺は現代の映画監督として、チャン・イーモウ監督はメディアを巧く巻き込んでいく話の展開にしていくんですね。それも超自然に、そしてマジカルに。なんか夢、希望とそして社会の批判と一緒ゴタになって、巧くフィクションが中国の現実の問題と絡みいってかんじで。