Friday, July 10, 2009

欲望の翼/DAYS OF BEING WILD




サッカー競技場の売り子スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ある日突然遊び人風の客ヨディ(レスリー・チョン)に交際を迫られ断るが、一分間だけ時計を見ているように言われる。1960年4月16日午後3時。やがてスーはヨディを愛し始めた。ヨディはナイトクラブを経営する養母(レベッカ・パン)と暮らしていたが、彼女が部屋に連れ込んだ男を叩き出し、男から取り返した養母のイヤリングの片方を、居合わせたクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)にあげてしまう。翌朝、ヨディと一夜を過ごしたミミが部屋を出てくると、昨夜彼女と部屋で出会い、一目惚れしてしまったヨディの親友(ジャッキー・チュン)が待っていた。一方、ミミの存在を知って放心状態で夜の町をさまよっていたスーを見つけ、慰めたのは巡回中の若い警官(アンディ・ラウ)だった。彼はスーに恋心を抱くが、彼女から電話がかかってくることはなかった。養母から恋人とのアメリカ移住を告げられたヨディは、実の母親の住むフィリピンへと旅立つ。残されて悲しむミミのために、ヨディの親友はヨディに貰った車を売り、彼の後を追うようにとその金を手渡した。ヨディが初めて訪ねた母親はフィリピン貴族の娘で、不義の息子である彼とは会おうとしなかった。自暴自棄になったヨディは酔いつぶれ、船乗りに助けられるが、その男はかつてスーを慰めた警官だった。ヨディは偽造パスポートでアメリカに渡ろうとするがギャングを殺してしまい、2人は大立回りの末に南へと向かう列車に逃げ込んだ。緑のジャングルを走る列車の中でヨディが息を引き取る頃、ミミはマニラに降り立ち、香港では誰もいない公衆電話のベルが夜に街角に響いていた。そして九龍のアパートの一室では、ギャンブラー(トニー・レオン)が身支度を整えていく。

sunairi: なんかガスヴァンサントの「マイオウンプライベートアイダホ」を思い出した。ガス監督のクールさ、古きよき米国的な音楽、画像は素敵だった。クリストファードイルだし。

殯の森 by 河瀬直美




妻を亡くし、山間部のグループホームで介護スタッフとともに共同生活を送るしげき(うだしげき)。そこに、新しく介護福祉士としてやってきた真千子(尾野真千子)。彼女もまた、つらい思いを抱えていた。日々の生活の中で、2人は次第に打ち解け合っていくのだったが……。

sunairi: しげきさんが真千子と山に迷い雨に打たれながら心を開く様子は少しそういったものに飢えている日本現代人の欲望を見た。少しそれがわざとらしく感じられ、もちろん二人の状況はあるがなんかと思った。

最後は予期してしまい、終わり方も少し尻切れトンボのような気がした。最近日本映画は流行っているのか?

ラブ・トーク 러브 토크


米国ロサンジェルス(LA)のダウンタウンを背景に,それぞれの痛みと傷を持った三人の男女の寂しく虚しい人生の姿を描いた感性ドラマ

ソニは,LAのダウンタウンでマッサージ・ショップを経営している。ささいな感情よりは成功のために積極的であり,自分が享受できなかったものなどに時間を投資する情熱も見られる。そんな一日が過ぎれば,寂しく孤独な気持ちで一人酒を飲んで寝床につくことが多い。今の恋人ランディがそばにいても,彼女の心はいつもむなしい。

チソクにとって米国は,遠い昔に別れたヨンシンが住んでいる所。漠然と米国に来て,ソニの家の下の階を借りて住んでいる。昼間はビデオ店で仕事をしながら,夜にはダウンタウンのクラブでアリスに会うのが生活の全部のチソクは,見知らぬ都市で初めての夏を迎える。

ヨンシンは,大学院心理学博士過程の留学生で,夜には,<ヘレン・チョン>という仮名で深夜ラジオ放送<ラブ・トーク>を進行する。主に僑胞(海外在住韓国人)たちの濃厚な愛情問題の相談をするが,自分の問題は解決にならない。同じ学校の先輩で妻帯者のソンホとの出逢いから抜け出せないまま,ますます疲れていくだけだ。

ある日,深夜ラジオで<ヘレン・チョン>が進行する<ラブ・トーク>を聞くようになったソニは,なにげなく電話を入れる。ヨンシンは,他の人とは違ってヨンシン自身の話を尋ねるこの相談者に当惑する。ヨンシンは,このように始まったソニとの対話を通して,今まで自分の愛について正しく予想したことがないことを悟り,ソニは,自分を知らない誰かとの対話で徐々に心を開いていく。

8年前に米国に発つヨンシンを引き止めることができなかったチソク,そして1回ぐらいは捉えてくれるのを見送ったヨンシン。二人は,長い時が過ぎて,地球を半分回ってきたLAの路上で偶然に会う。そんなぎこちない出逢いは,過去に諦めたお互いの記憶を喚起させてそれぞれの心を揺さぶる。

一緒に仕事をする同僚たちとのバーベキューパーティーを自分の家で準備したソニは,チソクを招き,チソクはヨンシンと共にパーティーに参加する。すでに<ラブ・トーク>で会った事実を知らないままソニとヨンシンが会い,整理できない気持ちを持ったチソクとヨンシンが1か所で会うようになる。

sunairi: 「素晴らしい一日」で大変気になったこの監督の前の作品、重いし、だるいしって感じだった。

訪問者 방문자 Host & Guest


世の中を訪問者のように生きてきた二人の男が,お互いを通して 自分の人生において主人に変わっていく話

妻に離婚され,時間講師の職まで失ったホジュン。絡まるばかりの人生は,すべて世の中のせいにして,ワンルームに閉じこもったまま一人で暮らしている。彼を訪ねるのは,間違い電話やセールスマンがすべて。

そんなある日,ホジュンは,ドアの取っ手が壊れて,浴室に閉じ込められてしまう。いくら揺さぶっても,たたいても,ドアはまったく開きそうにない。裸のまま救助を待ったホジュンは,結局,寒さとストレスで失神直前に達する。

助けて,助けて。ホジュンのうめき声は,おりしも玄関のチャイムを押した訪問伝道青年ケサンの耳に聞こえる。ドアの取っ手を壊してホジュンを救出したケサン。目覚めたホジュンは,疑わしくケサンをながめながら,やつれた反応を見せる。ケサンは,そんな彼にいつものように明るい微笑で答える。

ケサンは,自分のせいでドアの取っ手が壊れたといって,次の日に修理のためにホジュンの家を訪問する。世間万事に不平を言いながら攻撃的に対応するホジュンだが,この特別な「訪問者」ケサンにだけは,窮屈な態度を和らげるほかはない。

酒場,映画館,カラオケなど,ホジュンがいつも一人で行った所にケサンを連れていくようになるが,似たところが一つもない二人の男は,ふらつくのが常だ。同窓生,劇場店員,タクシー相乗客など,世の中の気にくわない野郎や事件だらけで,ホジュンは,行く所ごとにもんちゃくを起こす。ケサンは,そんな彼をやめさせるのに忙しい。

そんな時間を送りながら,自分の話を一つずつ取り出しながら,お互いを知り合っていく二人。ホジュンは,いつも微笑で世の中に対しているケサンの内心が,実際はつらくて暗いということを知るようになる。人生の重要な瞬間ごとに,神と信仰に伴う選択をしながら,普通の人々から遠ざかってきたことも。また,ケサンもホジュンの心を推し量るようになる。シニカルで不満いっぱいの今の姿は,むしろ人に対する信頼と希望を捨てることができなくて受けた傷のせいであることを。

あたかも訪問者のように,世の中と人生のドアの外に立ったまま,中に足を踏み出せなかったホジュンとケサン。思いがけない訪問者に会って,心の扉を開くようになった彼らは,世の中に向けて堅く閉じていた心の扉もあけてみようとする。不満屋男の前に現れた正しい生活微笑青年。彼らの怪しい友情が始まる。


sunairi: 人生にビターなおじさん、思想的にやけくそになっている時、死にそうになるが、ハンサムな若者、神を信じる青年に助けてもらうことから友達になる二人、おじさんは年功のため色々と吐き出す、若者は信念強く見守る、なぜと思ってたら最後は青年は大きなことをしていた。大どんでん返し、最後は引き込まれた。