Saturday, October 25, 2008

ノートに眠った願いごと/秋ヘ 가을로  Traces of Love

<三豊デパート崩壊事故>を題材に,過去に愛を失った男が,旅行を通して新しい人に出会う過程を描いたメロー・ロードムービー

10年前のその日,司法試験に合格して,ついに待ちこがれた検事になったヒョヌ。 世の中の誰より愛する女性ミンジュを見知らぬアパートに招く。バラの花一束とともに慎ましい告白。「愛してる。僕と..結婚してくれる?」

1995年6月29日。結婚準備のために一緒にショッピングする 約束をしたヒョヌとミンジュ。ヒョヌの職場に訪ねてきたミンジュに,ヒョヌは,仕事が残っていると言って,一人で行きたくないから待つという彼女の背を押 して無理にデパートへ送る。「ミンジュ,すぐ行くから,地下の喫茶店で待ってて。分かった?」仕事を終わらせたヒョヌが,急ぐ歩みで彼女が待っているデ パートの前に到着した瞬間,ミンジュがヒョヌを待っている,そのデパートがすさまじい轟音とともに彼の目の前で無惨にも崩れてしまう。

そして10年後の今。誰より大切だったミンジュをなくした消せない痛み。そして,彼女を死に追い やったのが自分だという自責感で,ヒョヌは,これまでの10年を送った。いつも笑顔の明るい青年だったヒョヌは,もはやその笑いをなくし,冷たく冷静な検 事になってしまった。世論と圧力に押されて休職処分を受け,喪失感に陥っていたヒョヌに一冊のダイアリーが届けられる。<ミンジュとヒョヌの新婚旅行>と いう文章が書かれているダイアリー。ミンジュが死ぬ前にヒョヌのために準備した贈り物だった。

ヒョヌは,ミンジュが準備した最後の贈り物,ダイアリーの地図に 従って,秋ヘ,旅行へ出発する。ミンジュがヒョヌに必ず見せてあげたかったという道どおりに歩くヒョヌ。彼が行く所ごとに会うセジンがいる。度々会う偶然 から同行するようになった彼らは,お互いが誰なのかを知るようになる。ヒョヌが,ミンジュが愛する彼「ヒョヌ」ということを。そして,セジンは,デパート が崩れたその時,ミンジュと同じ所に埋まった人であったということを。このようにしてヒョヌとミンジュの秋ヘの同行が始まる。
sunairi: 現実で起こったデパートのビルの崩壊の事件から被害を受けた人々という非常にドラマチックなコンテクストから、結婚をまじかのカップルの悲劇、悲しみ、そして人生の再開の様子を、息をのむように美しい情景を背景に奏でる。

この監督は凄い才能。「バンジージャンプをする」を始めて見たときびっくりしました。他の華々しい韓国映画ブームの監督達とは違った異質なセンシティブさを題材から、又は雰囲気から感じました。昔好きだった女性の面影を感じるからといえ、真正面から男性に対する愛情を韓国映画で語った作品、この繊細さは所謂ゲイ映画とは又違った、本質的な人に惹かれる時の甘さや、どすーんと来る誘引の静けさを素敵な緊迫した雰囲気の中で表しました。今でもあの高校生の青年に惹かれていく先生の落ち方を鮮明に思い出します。

この様な感じにこの監督、キム・デスンはとらえがたい微かな心の動きや、狡猾な心の動きを表現豊かに映画にしていきます。これが美しいのなんのって。

この映画に出てきた場所はどこでしょうか?とても行きたい気がしました。ジョエルと一緒に!





悪い男 나쁜 남자 Bad Guy


世の中に絶望と憤怒を抱いて私娼街に寄生するチンピラ親分と彼により売春婦にされる女子大生を描く。

▼私娼街のチンピラ親分のハンギは,道で偶然に出会った女子大生ソ ナを羨望のまなざしで穴があくほど見つめる。しかし,ソナは,みずぼらしいハンギを冷たくにらみ, ハンギは腹立ちまぎれに彼女に無理矢理キスする。ソナから激しい侮辱にあったハンギは,計略をめぐらし,ソナを売春婦村に引き込む。

▼ハンギは,毎夜,マジックミラーを通し,密室に閉じ込められているソナを見守る。絶望と恥辱でしつけられるソナを見るたびに,ハンギはものすごい苦しさに陥る。愛と憎悪,不憫と絶望の中で,二人は運命的な愛に昇華されていく。
sunairi: キム・ギドク、又見ました。話としてはまあまあよく出来たと思います。しかし思想的にびっくり、超強引、へヴィーな、おっさんやなー。