「実話を基にアッバス・キアロスタミ監督が撮ったセミ・ドキュメンタリー。若い失業者のホセイン・サブジアンは、バスでたまたま隣り合わせた夫人に悪気も なく、自分は有名な映画監督モフセン・マフマルバフであると名乗ってしまう。その夫人は頬を上気させ、自分の家族はとても映画好きだと話し、数日後、ニセ のマフマルバフはこの家族のもとを訪ねる。彼らの家で映画監督としてもてなされるうちに、彼はこの屋敷でのロケを申し出、息子に重要な役をあげると約束 し、この家族を架空の映画の企画に巻き込んでしまう。ところが正体がばれ、ブジアンは逮捕されて、詐欺罪で告訴される……。実際に起きた詐欺事件から生ま れたこの物語を、キアロスタミ監督は、事件を同時進行でキャメラに収めながら、事件に至る経過を当事者たちを使って再現している。新聞記者がサブジアン逮 捕を取材するところから始まり、映画はドキュメンタリーと再現場面とが一体となった構成で語られてゆく。」
砂入:これはまたまた過去5年のベストの一つ。ビジュアルが本当に美しい。少し寂しげな夕方の黄色っぽい光。車のエンジンの音や道を転がるカンの 音が環境音楽の様に詩的にヴィジュアルと絡んで行く。圧巻なのが物語。映画に対するパッション、ファンタシー、そして一般市民のイランの日常といった様々 な要素がある出来事から浮かび上がる。これはキアロスタミが新聞で見つけたニュースから映画を作ったんですね。登場人物は全て本物、ドキュメンタリー& フィクションです。しかしフィクションの様にストーリーが展開し、ドキュメンタリーの様に人の証言からまた他の人の証言へとストーリーが流れる。美しい、 マスター・ピースですね。ゴダールもここまで映画へのパッションを詩的にそして人間的に表現することは出来なかった。
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