Monday, January 18, 2010

『秋刀魚の味』小津安二郎

長男の幸一夫婦は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、家には娘の路子と次男の和夫がいて、今のところ平山にはこれという不平も不満もない。細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。..

砂入:初めての小津だと思いきや、娘の結婚をふとしたきっかけから願う父の話とは、見た事があった。しかし今回まずびっくりしたのは、カラーであった事。1962年に作られたんですね。それと過去に気づかなかったのは素晴らしく奇麗だこと。あの頃の日本を、ハイカラな日本を奇麗に忠実なドキュメントといった風に、まぶしてあります。その背景の中、気品がある中流階級の(と言うんですか、ここら辺の人たちは?)上品な有様とその団欒。キアロスミがオズ、オズと言っているのがわかる。会話の平凡さも淡々とした所もすごく優雅で、戦争が終わった日本のというか一般市民の余裕だったんでしょうね。まだまだ見ていきたいです。素晴らしく奇麗だった。

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