▼1850年代, 政治的に荒廃していく朝鮮末葉,清渓川の乞食巣窟近くで乞食たちに殴られていた幼いスンオプ(チェ・ジョンソン)をキム・ビョンムン(アン・ソンギ)が助ける。スンオプは, 殴られた訳を説明して両班のビョンムンに絵を描いて見せる。派閥勢力政治に便乗せず,新しい世の中を夢見ていたビョンムン。荒いけれど非凡なスンオプの実力に驚く。しかし,スンオプは,息苦しい両班の生活がいやでビョンムンの家を離れる。
▼それから5年,ビョンムンは,紙屋で働くスンオプ(チョン・テウ)と偶然に再会する。そして,ビョンムンは,清の国を往来した訳官(通訳官)として絵を収集してきたイ・ウンホン(ハン・ミョング)にスンオプ(チェ・ミンシク) を紹介する。スンオプに真の芸術家の姿勢を追求することを督励し,タンウォン(檀園)キム・ホンド(金弘道)やヘウォン(慧園)シン・ユンボク(申潤福) など先代の名画家たちを凌駕する立派な画家になれとの意味で,後にオウォン(吾園)という号をつけてやったビョンムンは,スンオプの終生の助言者であっ た。
▼イ・ウンホンの家で作男をしながら,中国から入った珍籍をながめて絵の見識を育てていったスンオプは,イ・ウンホンの妹ソウン(ソン・イェジン)に一目惚れするが,胸ときめく初恋は,ソウンの結婚で終わってしまう。後に画家として認められ始める頃,病気に病んだソウンが自分の絵をほしがっているという話を聞いて彼女の肖像画を描いてあげるが,彼女は死んでしまう。
▼イ・ウンホンの家を出たスンオプは,居酒屋に留まって酒と女にまみれ,各種まくら絵と珍籍の摸写で歳月を送っていた。イ・ウンホンと再会したスンオプは, イ・ウンホンの斡旋でテファ院ユスクの門下生として正式に絵の指導を受けるようになる。
▼持って生まれた実力で画家として名前が知られ始めたスンオプは,敬虔な天主教(カトリック)信者で没落した両班の娘である妓生メヒャン(ユ・ホジョン) の笙篁の演奏に魅了される。メヒャンは,スンオプがチマに描いた絵に「梅花一生不売香(梅は終生自分の香りを売らない)」という題跋(題辞と後書き)を書 き入れて微かな因縁を結んで行く。しかし,二人は,天主教の迫害で2度の離別と再会をする。メヒャンは,スンオプの世界に共感した唯一の女性であり,悟り の道に導く高邁な愛を持つ女性であった。
▼誰もスンオプを止めることはできなかった。ひたすら酒に酔ってこ そ興が沸き,その興に酔って興がわくように筆を走らせる神技。しかし,画名が高まれば高まるほど変換点を探さなければならないという強迫観念に苦しむスン オプ。限界を超えようとする努力が続くある日, スンオプは,全身の気が筆に乗って流れる経験をする。そして,外部の騷音にもかかわらず,鮮やかに自分の筆音を聞くようになる…。sunairi: 韓国の巨匠・イム・グォンテクが、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品。19世紀初頭に活躍した実在の画家、チャン・スンヨプの一生を描く。貧しい家庭に生まれたスンヨプは、偶然絵の才能を見出され、やがては宮廷画家にまで登りつめる。しかし、酒と女が欠かせないスンヨプは、時に宮廷から逃げ出すなどの奇行を繰り返す・・・。
チャン・スンヨプ役は『春が来たら』や『 オールド・ボーイ (2003) OLDBOY 』主演のチェ・ミンシク。少しジャッキー・チェンを思い出す表情。いい味出してますね、大きなお腹、飲兵衛な性格、大胆な行動、画面めちゃ綺麗、本当に美 しい、そしてやはり水彩画家の話なので見ているものが綺麗、心が和みますね、彼らは何時も霧や、空の色、山の霞、木陰、鳥、木の実、川などを凝視し生きて いたんですね。なんと長閑な、しかしそこに葛藤が、クライアント、フェーム、お金、グリード、オリジナリティー、欲望といった今の芸術家と全く変わらない 永遠のカルマ。ははは。
良かったです、久しぶりにインスピレーショナル!それと水彩って本当に綺麗ですね。筆と和紙だけというシンプルな表現。
皆さん見てください。いい映画です。
No comments:
Post a Comment