Wednesday, March 19, 2008

Nicolas Philibert ニコラ・フィリベール To Be and To Have/Être et avoir ぼくの好きな先生 (2002)

ドキュメンタリー映画の奇才、ニコラ・フィリベールの「音のない世界で』に続く傑作ですね。フランスのとっても田舎の小さな小学校の先生とその生徒達の姿 を日常生活の視点から撮ってます。子供の初めての小学校の日、喧嘩、宿題、家族の問題等をごく自然に現れるままに受けとめる様に物語は展開します。ある 日、病院に行ったり来たりのお父さんのことが心配になり、不安を隠せない少年を先生がお話しします。話をしているうちに少年は心が解き放たれ、涙がぼろぼ ろと流れます。その様な打ち合わせでは到底出来ない様なシーンをカメラは圧迫感なくそのままリアルタイムに納めます。小学校最後の日、女の子はもう先生に 毎日会えなくなる寂しさのあまり、どうして良いのか判らなくなり話しているうちにまたまた涙がこぼれ落ちます。タイトルのTo Be and To Haveの直訳はそんざいとしょゆう。学校というニュートラルな時間の中で、生活と言う檻に入る事なくお父さんの存在になる先生、限られた時間だけどお父 さんになる先生。学校の最後の日は生徒全員が先生にキスをします。中の子供にはキスを何回もしたがる生徒もいます。彼らは本当に愛された分だけ素直に愛情 の表現をします。本当に奇麗な映画です。

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