▼33歳。夫を失った彼女は,息子のジュンと夫の故郷の密陽に行っている。すでに彼女は,とても多くのものを失った。ピアニストの希望も,夫に対する夢も。この小さな都市で,彼女にふさわしい小さなピアノ教室を開いた後,彼女は,新しい始まりを約束する。
▼密陽の郊外5km。彼は,シネと初めて出会う。故障で立ち往生してしまった彼女の車が,カーセンター社長の彼を呼んだのだ。そしてこの見知らぬ女性は,自分の声のように忘れられない人生の一部になってしまう。
▼彼は密陽と似ている。特別なことがない彼らしい欲と,彼らしい俗物性と,また彼らしい純真さをはらんでいる男。村祭りや商店街に行けば,間違い なく現れる誰かのように,彼はシネの人生に入り込む。彼は,いつも彼女のそばに立っている。一度くらいは,彼女が自分の目を見てくれるのを待ちながら。
▼それほど平凡でない女をながめる男,それほどつらく感じる女のそばを守っているこの男の視線と愛を,彼はどのように表現するのだろうか。
砂入:うーん、この説明書きは少し不満です。僕は見た感じ(実は今日ニューヨークフィルムフェスティバルでプレミアを見てきました)、この映画はこの女の 人の苦境と感情の動きから構成されてます。感情は色んなやり方を通してゆっくりと流れ、変わり癒されます。それはそばに誰が居ようとも、姿を現し、声を張 り上げ、突然、蘇り、涙を流し、しかし時間は必要なんですね。時間だけが深く傷ついた心を少しずつ暖めたりできるんです。その感情に触れた人はそっとして あげるしかないんです。それしか出来ないんです。
ソンガンホーは本当にいい役。可愛い人。ほっとさせる人。色々とこの人が出てる映画見てきたけど愛が、それも本当にあたたかい愛がこぼれ落ちるよ うな人。でも、甘いだけではなく、人生の屈折したユーモアも軽く肩に乗せ、だけど楽しく流れるように来る男。いい男ですね、もう彼の演技がナチュラルって いうのか、もう地なんでしょうね。
スーパー女優、チョン・ドヨンはこの映画でカンヌを取りました。少しラースヴォントリアースの女性虐待的な感情の逆立ちの要素はありますが、やは り苦境は韓国映画の品のよさ、日常でしか起こりえる状況。チョン・ドヨンは声を上げて泣き、涙をこぼし、観客の目に人間の強さ、弱さの印象を焼き付けま す。
ただ感動したと言いません。感じると、時間がたてばもっとぼくももっといいレビューが書けるのでしょうね。
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