Wednesday, March 19, 2008

The Silence by Mohsen Makhmalbaf モフセン・マフマルバフ

モフセン・マフマルバフはアッバスキアロスタミにと並ぶイランを代表する映画監督。この映画はそんなうんちくを抜きに、ただビデオ屋さんでイラン映画でも みたいなーと思い見てたら「ザ・サイレンス」という深いタイトルが印象で借りたのを覚えています。現在この文が過去形なのは、ほぼ一年前にこれを見たから です。少年少女のイメージの表紙で楽しそうだなと思い借りました。
しかしこれを見て吃驚、先ずは主人公の少年、目が見えないんですね。この少年、映画の出だしから凄まじく印象深い。この地方では一般的に貧しく、少年も目 が見えないながらも仕事に携わるのです。しかし、彼の声を聞くと判るけど、声が非常に逞しいのですね、只これの声の音的にというか、生活の中から生まれる 目が見えないのに、例えば一家の一人の男として母に金儲けを頼まれた時の頼りがいのある声なんですね。少年にして男を余儀なく引き受けるその太さ、その社 会状況が、深く私を唸らせました。少年はしかしやはり少年、仕事をしながらも可愛い友達の少女と仲良くやったりとか、何か単なる子供としての自由を奪われ た状況から来る空想、それと、目が見えないという事から来る自由な空想、奪われるほど精神は作るんですね、夢と言う自由を。筋書きはここでは語りません。
子供であり、盲目である少年の響き渡る心の夢は苦難を乗り越える人間の素晴らしさを感じました。

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