Friday, March 21, 2008

大統領の理髪師 The President's Barber 효자동 이발사 Hyojadong Ibalsa) ソン・ガンホ出演



大統領府が「景武台」という名前で呼ばれていた時代,景武台が位置した町に孝子(ヒョジャ)理髪館があった。 孝子理髪館は,ソン・ハンモ(ソン・ガンホ),あるいはトゥブ・ハンモ(豆腐一丁)と呼ばれる小心だが素朴な理髪師が主人。彼は,顔剃り師兼補助の仕事をする女の子キム・ミンジャ(ムン・ソリ)を誘惑して妊娠をさせてしまう困った理髪師であった。

景武台地域の住民らしい自負心で,国がすることならば常に正しい と信じるハンモ。人々が3.15不正選挙と批判する1960年3月15日の選挙日にも国のために投票用紙を食べたり,野山に投票紙を埋めたりした。妊娠し たけど結婚はしないというミンジャを説得したのも,イ・スンマン(李承晩)大統領が憲法改正で使った「四捨五入」の論理に習って,妊娠5か月ならば,四捨 五入して1人分だから無条件で産むべきだという論理だった。

1960年4月19日,ハンモの妻ミンジャの陣痛が激しくなり,ハンモはリヤカーに妻をのせて病 院に向かったが,なんと道路は3.15不正選挙を撤回しろという大規模デモが激しく行われていた。 軍人の発砲に傷を負った学生たちは,理髪師用の白衣を着たハンモを医師と間違え,なぜか英雄になったハンモは,陣痛のミンジャを乗せたリヤカーに愛国青年 たちも乗せて病院へ向かう。ハンモの息子ナガンが生まれたこの日は,後日,4.19革命という名前で広く知られるようになる。

翌年の1961年5月16日,理髪館の前の道を戦車が1台過ぎ去った後,中高生削髪令が下され,理髪館は日々繁盛した(削髪令部分は,編集でカット)。息子ナガンも小学生になった。

16年守ってきた孝子理髪館の理髪師ハンモの人生は,ある日訪ねてきた大統領府警護室長チャン・ヒョクス(ソン・ビョンホ)によって転換期を迎える。 ハンモが見つけて申告したスパイが,中央情報部職員という事件が起こる。ところが内部事情を知らない大統領(チョ・ヨンジン)は,ハンモの監視精神を高く評価して模範市民表彰状を下賜する。

この事件を契機に,彼は,大統領府へ呼ばれ,大統領閣下の髪を切る大統領府理髪師となる。 事情を知らない町の人々は,彼を羨むが,警護室長チャン・ヒョクスがにらむ中で,大統領閣下の龍顔にはさみと,かみそりをあてなければならない緊張感。傷でもつけやしないかと冷や汗ダラダラ流して,顔色を伺うばかり。 その上大統領府の権力争いで,警護室長チャン・ヒョクスと中央情報部長パク・チョンマン(パク・ヨンス)のきっ抗した対立の中にハンモの一日一日は,危険この上ない。

ある日の夜,大統領府の後方,北岳(プッガク)山に北のスパイが潜入する。 いくら怖いスパイといっても生理的欲求はどうしようもない。突然の下痢にしゃがんでいたスパイたちは,巡回中の軍人に見つけられて,銃撃戦となる。

この事件を契機に,政府は,下痢病をスパイから伝染した不純な病気と見なす。別名「マルクス」病。下痢をすれば,町の人々は互いに疑い,告発するという笑えない状況が繰り広げられる。 そんな時,ハンモの息子ナガンまで下痢をしてしまう。 不安なハンモは,自分の息子はスパイでないとわかっていながら,ナガンを警察署に連れていく。

スパイには子も大人もないとスパイ容疑者になってしまったナガン は,中央情報部の拷問室に送られる。弱り目にたたり目で,この機会にハンモを利用して,チャン警護室長を除去して権力を一人占めしようとする陰謀を抱いた パク中央情報部長は,幼いナガンを拷問して,ハンモをマルクス病で検挙しようとする。はたして理髪師ハンモと息子ナガンは,無事に生きて帰れるだろうか。SUNAIRI:

1960年代の韓国。軍事クーデターを経て、新しい政権が誕生する。大統領官邸のお膝元の町で理髪店を営むソン・ハンモ(ソン・ガンホ)は、ある日、大統 領の理髪師という大役を仰せつかる。緊張を強いられながらも誠実に務めを果たし、やがて、町でも一目置かれる存在になるが、北朝鮮武装ゲリラ侵入事件が起 きて、状況は一変する。彼らが下痢をしていたため、同じ症状の国民は「マルクス病」とされ、スパイ容疑で次々と逮捕される破目に。運悪く、ハンモの長男・ ナガン(イ・ジェウン)も下痢を訴えて…。

久しぶりにあたたかい映画です。複雑な社会状況の中、有るがままに暮す家族、理髪屋のソン・ガンポ(ソン・ハンモ)。すこし気が小さく頼りがいが 無いところも魅力のひとつ、しかし忠誠心、正直さは感心するほど、映画が進むとともに見えてきます。ソンガンポの太陽のように優しさが映画の展開とともに 開いてきます。これは本当に演技の旨さなんでしょうね。これこそ俳優の仕事なんでしょうね。見れば見るほど深まる味。

いい映画です。

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