うーん、微妙ね、これは、もしかしたら僕はこの様ないわゆるダークと呼ばれる映画が嫌いなのかも、アトムエゴヤンも、デイヴィッド・クローネンバーグも勉 強の為に見たけど、あーそうって感じで好きな映画にはならない。クローネンバーグのネイキッド・ランチは好きだったけど。 そうです、はいデイヴィッド・リンチの新作です。ダークな映画が好きな友達とかももう絶賛してました。僕はと言うと.......言わしてもらいます。思 うにデイヴィッド・リンチは最近もっぱらラース・フォン・トリアーの映画が好きだったんでしょうか?先ずはデジタルビデオでの映画作りです。これはさすが にうまいの一言。デジタルビデオでこんなに立派な映画が出来るんだーと3時間ビジュアルの作り方に感心しました。これがかっこいいの、カメラを手で回して 少し揺れたりをうまく使ってリアル臨場感を出します。ライティングは超うまいですね、それもパーっと光ってローラ・ダーンさんの顔がどアップになって、そ れがびっくりするぐらい怖い顔でそれでどっきりして、ライトが真っ白になるぐらいに点滅して、音楽がガビーンとびっくりさせる。もう、この連続なんです ね、最初っから最後までズズズイーと永遠に3時間も、ストーリーは有る様でない様な物です。前作、前々作の、ロストハイウェイ、モーホランドライブ等と見 ると、どんどんデイヴィッドリンチさんの技がうまくなって行ってるんですよね。いわゆる物語の順序という物がなくなり、過去未来現在がもう同時にパラノイ ヤ(偏執症/被害妄想狂)的なビジョンで精神分裂した状態で、現実と悪夢が見分けつかなくなり、そうですねローラダーンさんは放心状態で一人サディスティ ク変態という恐るべき神様となるんですね。この手法、デイヴィッドリンチはこの作品で完璧にしています。もう、お話を語る映画でなく、感情の起伏を有頂天 にそそる、ドラッグの様にセンセーションだけを生み出す、おかーちゃんも開いた口がふさがらないぐらいの映画になった訳なんですね。この変質的な世界で は、ローラダーンさんが超お金持ちの女優だったり、いきなりアメリカの田舎の貧乏な旦那思いの女になったり、いきなりハリウッドの下町の売春婦になった り、作っていたはずの映画の競演の男性の家に行き男優の奥さんに殴られたり、人に殺されたり忙しく変貌します。奇麗になったり超みすぼらしい姿になり可愛 そーと思いました。
ここで私の妄想にラース・フォン・トリアーが出て来ます。そう、ラース・フォン・トリアーのニコルキッドマンが出ているあの素晴らしい傑作ドッグヴィルの 様に、又はBreaking the Wavesの様にそうです、主人公の女性が虐待されるのですね。もうこれでもか、これでもかと、そしてこれでもかと、しかしラース・フォン・トリアーとは 違いデイヴィッドリンチさんは品がよい、虐待しても物語が感情的に状況的にもこれは映画なんだと言うエンターテイメント性がはっきり出てるんですね。ラー ス・フォン・トリアーさんは、これでもかこれでもかと感情的にも肉体的のも、それと映画を見る観客の精神にも虐待を行ないます。ほらダンサー・イン・ザ・ ダークでビョークの見窄らしいぐらい可愛そうな苦境に涙したのを皆様も覚えているでしょ。しかしリンチさん、だからこれでもかこれでもかと来る変態性も恐 くない。空っぽなスペルマバイオレンスなんです。
デイヴィッドリンチさん、現在、瞑想の組織を作り、深い禅的な精神の底の尊さを米国の大学等で講義をしているんですね。まさに表裏一体、映画では 妄想狂精神分裂変態を極め、日常では和尚さんに......。映画の最後で、日本人の留学生の女の子がホームレスになり黒人の男と道で抱き合っているシー ンが出ます。その子は少し流暢で変な英語で話します。そのシーンは、そうです、ラース・フォン・トリアーと一緒にドグマと言う映画兄弟の契りを交わした ハーモニー・コリンのジュリアン・ドンキーボーイのふとした時に出て来る、日常のへんてこりんで当たり前の時間に似てるのです。ここで私の勝手な解釈、リ ンチさん、今はもう古いですけどドグマの様な新しい映画家達に感化されたんでしょうね。「オリャー、我わしを誰だと思っとんじゃー、ホーラースプラッター 変態バリバリのデイヴィッド・リンチやでー、わしもお前らの様に若いアバンギャルドにはいらせー(大阪弁)」ってな感じで。そういう印象を受けました。
驚くに私は、話としては最初の30分で飽きてたけど、ビジュアルや音楽では3時間飽きる事なく見ました。まー、映画館で見たし10ドル払って見たから、見 ようと思ってみたけど、それと5分ぐらい居眠りもしました。友達に『寝てしまったから何かのがした?』と聞いたら、『大丈夫、のがしても関係ないよ」と言 われました。それぐらい内容はないんですね。この映画のDVDを家では絶対最後まで見ることは出来ないでしょうね。私は、金払って必死に見て、人と喋る為 に見てよかったと思った映画です。見たい人は見て、もし私の意見には賛成しないという人がいたら是非是非教えてください。聞いてみたいし、この映画を他に どのような見方が有るのか........
判ったと思いますが、私の文もリンチさんの手法に見習って妄想精神分裂変態スタイルで書きました。ウーム、影響力あり。
No comments:
Post a Comment