▼再開発の重大な任務を帯びてエクス(EQUUS:高級自動車)に 乗って,格好つけて1番街に現れた悪辣なごろつきピルジェ。「天下の悪いやつ」になって血も涙もない無鉄砲で村の人々を追い出そうと丹念に決心をしたけれ ど,到着した初日からぶつかった女性ボクサー,ミョンランをはじめ,予測不可能の村の人々によって,ピルジェの計画は絡まり始める。
▼バスより足がはやくて馬より拳が先んじるミョンランは,往年の東 洋チャンピオンで,今は身体が不自由な父と,幼い弟を世話して,父の自慢の娘になるために東洋チャンピオンの夢を固めながら,屈することなく生きている。 こういうミョンランと,ことごとに巻き込まれるようになったピルジェは,再開発はさて置き,ミョンラン相手に忙しい。
▼泣きっ面にハチで,ピルジェがすることをひたすら珍しく思うばか りのイルドン,イスン兄妹は,その純粋さでピルジェを制圧し,また,彼を恐れることはおろか,仕事まで出前を注文する村人たちによって,ピルジェは,町内 のあらゆる雑事を引き受けるようになる。そして,ついに彼は,村の子供たちに,ごろつきでないスーパーマンとして通じるようになる。
▼村接収という当初の目的達成からますます遠ざかって行くピル ジェ。東洋チャンピオンの夢に向かって,突っ走るミョンラン。そして,それぞれの夢を抱いて生きていく1番街の人々。お互いの妙な絆を積み上げながら,進 むことも退くこともできないこの状況で,ピルジェは果たして任務を完遂できるのだろうか。最近韓国タウンのビデオ屋さんに行き、「いい映画はない?」と働いているお兄さんに聞いています。彼は僕の趣味の芸術的なものではなく、面白い物と、怖い物が好きらしいです。その彼のレコメンでこれを見ましたが良かったです。予期もしなかったぐらいに。良いですね、自分が見たいと思ってもいなかった物をみると言うのは世界を広げます。やっぱり自分の好みが強く出すぎてマンネリ化してたんですよ。
ゲットーのすむ人達の難しい状況と、子供たちがいじめられるシーン、トマトを盗んだと思われ八百屋の叔父さんにいじめられるシーン、トマトを意地悪の子供たちに投げられるシーン、とても綺麗でした。ぞくぞくとするような情緒ととっても映画的な画像のストーリーテリング。
いい監督ですね、深みのあるキャラクター作り、愛と夢のある話。頑張ろうという勇気が湧いてくるような映画でした。
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